葬儀の所要時間は式の形や参列する立場で大きく変わります。本記事では、一般葬・家族葬・直葬それぞれの流れや開始時間の目安、火葬や骨上げを含む所要時間、参列時のマナーまで、初めての方にもわかるようやさしく解説します。具体的な時間配分の例も載せるので、参列や準備の参考にしてください。
葬儀の所要時間の目安
葬儀は故人を偲ぶ大切な儀式ですが、どれくらいの時間がかかるのか気になる方も多いでしょう。葬儀の形式や参列する立場によって所要時間は変わります。ここでは、一般葬・家族葬・直葬の違いと、式の種類ごとの平均的な時間や開始・終了時間の目安をわかりやすく解説します。
一般葬の場合
一般葬は、多くの親族や友人、会社関係者など幅広く招く葬儀です。お通夜、葬儀・告別式、火葬、骨上げ、精進落としと一連の儀式が行われます。お通夜の参列者はおよそ2時間程度で、親族は準備や片付けを含めると4時間前後かかります。葬儀・告別式の式典部分だけなら30分から40分ほどで終了しますが、出棺を見送ったり火葬・骨上げまで参加すると3時間前後となります。精進落としや初七日法要まで行う場合は、親族の所要時間は5時間から6時間ほどになることもあります。
お通夜は夕方5時半から7時頃に始まり、葬儀・告別式は午前10時から11時頃が目安です。
家族葬の場合
家族葬は、親族や近しい友人だけで行う小規模な葬儀です。参列者が少ないため式の進行もスムーズで、お通夜を行う場合でも参列者は2時間程度で終了することが多く、親族は準備も含めて4時間ほどかかります。葬儀・告別式の式典は1時間前後で終了しますが、火葬や骨上げ、精進落としを含めると4時間から6時間程度になります。通夜を行わず葬儀・告別式だけの一日葬を選ぶ場合もあり、この場合も所要時間は参列者で1〜3時間、親族で4〜6時間が目安です。
直葬(火葬式)の場合
直葬はお通夜や告別式を行わず、火葬のみで済ませる簡略な形式です。出棺までにかかる時間は30分から40分ほどで、火葬や骨上げまで含めても3時間から4時間程度ですべての儀式が終了します。式が短いため、参列者も短時間で参加できるのが特徴です。
葬儀の1日目・2日目のタイムスケジュール
葬儀は、1日目のお通夜と2日目の葬儀・告別式に分かれて行われます。それぞれの流れや所要時間を知っておくと、参列する際に安心です。ここでは一般的なスケジュールをわかりやすく紹介します。1日目:お通夜
お通夜は、故人を偲び家族や親しい友人が集まる夜の儀式です。多くの場合、夕方5時半から6時に始まります。式の前には納棺の準備が行われ、故人を棺に安置し、思い出の品を一緒に入れます。親族は式の1時間ほど前に集合し、受付や僧侶の出迎えなどの準備を行います。参列者は受付開始の少し前に到着し、芳名帳に名前を記入して香典を渡し、席に着きます。
お通夜の式典は読経や焼香、喪主の挨拶を含めておおむね1時間で終了します。その後、通夜振る舞いとして簡単な会食が行われることもあります。一般参列者は式典終了後に帰宅することが多く、親族は片付けや翌日の準備を行いながら、4時間程度を目安に過ごします。
2日目:葬儀・告別式
葬儀・告別式は、故人を正式に見送る儀式で、通常午前10時に始まります。親族は式の1時間ほど前に集合し、受付や段取りの最終確認を行います。参列者は受付開始に合わせて到着し、香典を渡して席に着きます。式典では僧侶による読経、焼香、弔電紹介、喪主の挨拶が行われ、おおむね30分から40分で終了します。その後、出棺が行われ火葬場へ移動します。火葬には1時間から2時間かかり、その間、親族や参列者は控室で待機します。
火葬終了後には骨上げが行われ、遺骨を骨壺に納めます。その後、精進落としとして簡単な会食が行われ、参列者はここで解散となります。希望する場合は、火葬後に初七日法要を短時間で行うこともあります。
参列者・遺族が知っておきたい注意点と日程決定のポイント
お葬式は、参列する側も遺族側もスムーズに進めるためにはいくつかの注意点があります。ここでは、参列者が気を付けるマナーや喪主・遺族が日程を決めるときの配慮をわかりやすく解説します。参列時のマナー
お葬式に参列するときは、まず時間に余裕をもって会場に到着することが大切です。受付での手続きや香典を渡す時間を考えると、開始の30分前には到着しておくと安心です。お通夜では、遅れても焼香に間に合えば問題ないこともありますが、できるだけ遅れないようにしましょう。服装は、黒や落ち着いた色の服が基本です。男性はスーツ、女性はワンピースやスーツで、華やかな装飾は控えます。式の間は静かに座り、携帯電話はマナーモードにしておきましょう。会話も必要最小限にして、故人と遺族に敬意を示すことが大切です。
もし参列できない場合は、代理の人を立てる、香典やお供え物を送る、弔電を打つなどで弔意を伝えられます。後日お参りに行くのもよい方法です。参列できないことをそのままにせず、気持ちを伝えることがマナーです。
喪主や遺族が日程を決める際のポイント
お葬式の日程を決めるときは、まず火葬場や式場の予約状況を確認しましょう。希望の日にちが取れないこともあります。僧侶の都合もあらかじめ確認しておくと、当日慌てずに済みます。親族や近しい友人に参加してもらうためには、早めに連絡をすることも大切です。遠方から来る人や仕事の都合がある人もいるので、日時が決まったらすぐ知らせましょう。地域や宗派によっては、友引を避けるなどの習慣もあるので、周囲と相談して配慮すると安心です。